レコーディングエンジニアの仕事ブログ

レコーディングの事、音楽の事、DAW.DTMの事など適当に書きます

AKB商法について

みなさんご存知 AKB48
新曲が投票券付きCDとか いや CD付き投票券だとか書かれていますが私個人の意見を書きたいと思います。

■アイドルの売り方
アイドルという存在は古くからあります。松田聖子小泉今日子など時代を代表するアイドルは皆さん知っていると思います。彼女達とAKBは何が違うのかと考えると、一番大きいのが「距離感」ではないでしょうか?
今までのアイドルはテレビの中の人で、現実世界にいるというよりはステージの上の別世界にいる存在だったのです。結果、引退するまでは恋愛や個人的な遊びなども制限され 完全にキャラクター商品として扱われる事になりました。

ではAKBはどうなのでしょうか?
まず人数が多い。これは多種多様なニーズ、つまり男性ファン目線で考えると「お前クラスの女子の誰が好き?」という事なのです。さらに "一般人ぽさ"が大きな役割を果たしていると思います。

誰にでも手が届きそうな、応援しに直接会いに行ける。そういったニーズを突いた企画商品としては非常に優秀と言えるかもしれません。


■CDについて
話題のAKB48CDセールスについてですが、これは皆さんがご存知のように熱心な男性ファンが100枚200枚と買うと言われていますので単純に今のランキングに出すのもどうかと思いますが、かといって100万枚売れたというニュースを見て「AKBすげー 俺も聞いてみよう」となる人はいないと思うのです。
CDの売り上げ操作なんて今までも沢山やっているし、熱心な個人ファンに大金を出させるのはどうかと思いますが、音楽業界が不況になってから各業界協力して特定のアーティストを売るという事は当たり前にしてきた事です。
結果、露出が増え、マスコミにも取り上げられ、新規ファンが付く という資本主義スパイラルになるのです。AKBのCDはキングレコードですが、SDNはユニバーサル、他のユニットはポニーキャニオンやエイベックスなど出版を分散しているのがわかると思います。これはレコード業界でみんなで協力して売り上げ分配しましょうよ  という事なのです。今の音楽業界は売れているものに便乗し、皆で分け合うと言う日本人精神溢れる商売方法なのです。

■かといって・・
ではこれを喜べるかと言うとそうでもありません。私はアイドル業界とは疎遠で生きていますので実際には恩恵を感じる事はありません。AKBも長くは続かないでしょう。これは現場というか秋元氏が一番知っている事です。
一世風靡したおにゃんこでも僅か2年半で解散しており、アイドル産業と言うものは短期決戦だと一番知っているのは秋元氏です。既に次の1手を考えているのでしょう。私はAKBに興味は無いですが、他の同世代男子と同じようにガンダムが好きです。
AKBをガンダムに変えて考えるとよくわかるのですが小学生の時に遊んだガンプラを今でも買っている大人は多いと思います。これもある種アイドル現象と同じと考えても良いのではないでしょうか?仮面ライダーチップスやビックリマンなどおまけ付きお菓子は食べ物の無駄だと批判されました。CD付き投票券は石油の無駄だという話にはなりません。

■最後に
お金を取れるところから取る という方法はビジネスの基本です。仮に一人で100枚も200枚も購入するファンが借金をしてまで買っているのならばパチンコなどと同じく社会問題になるでしょうが買ってくれる人がいる商品を出すというのは当たり前です。否定的な意見を持っている人は多いと思いますが、買う人が納得しているなら良いではないかと思うのです。

しかしCDチャートに入れるのはどうかと思いますよね。厳密にはJロックとJポップ、アイドル、演歌・歌謡など歌物でもジャンル毎のランキングが妥当ではないでしょうか?