レコーディングエンジニアの仕事ブログ

レコーディングの事、音楽の事、DAW.DTMの事など適当に書きます

英語が話せない日本人とJ-POPの関係について考えてみた

先日あるテレビ番組で「なぜ日本人は英語が話せないのか?」をテーマに様々な角度から検証を行っていた。
性格、教育、経済など日本人が英語を話せないのは色々な理由が考えられるが
その中の一つに
「日本語のみで高度な教育が可能だから」
という事がクローズアップされていた。


確かに日本以外の国で大学や専門知識などの高度な教育をうけようとした場合英語での授業が一般的だ。


日本人は明治以降外国の文献や単語、専門用語をすべて日本語に翻訳し、造語まで作って日本語のみで高度教育が行えるようにしてきた。
その結果、英語は読めても話せないという事になったというのだ。
逆に考えれば今の日本語は非常に高度な言語であるとも言える。


この説を見たときに最近考えていたある疑問が解決したような気がした。


ある疑問とは
「なぜ最近のJ-POPは進歩しないのだろう」
という事。

これはあくまで私個人の意見なのですが 
最近のバンドやJ-POPの音楽家はJ-POPを聞いて育ち、またJ-POPを目標にしているような感じを受ける、のです。

良い悪いではなく少なくとも90年代までの日本の音楽業界は洋楽、アメリカ音楽やイギリス音楽を模倣し、テクニックを盗み、憧れや尊敬をしていたという傾向があったと思います。
それが今はどうでしょうか。
洋楽が元気が無いという側面もあるのですが若者たちが聴く音楽はJ-POPやボーカロイドといった日本産音楽ばかりが目立ちます。

ユーザーサイドだけでなく制作側、つまりバンドや歌手、作曲家やエンジニアに至るまでそういった傾向があるように感じます。

特に現在も活動している大物バンドやアーティスト、例を挙げればミスチルやB'z、GLAYバンプなどを中学生の時から聞いていて
それに憧れて音楽を始めるのはごく普通なのですが、私達の時代にはその次に洋楽という大きくて高い壁が存在し、それを目標に皆していました。


それが現在はJ-POPの中で完結するのです。
それは日本人が英語が話せないのと同じように、J-POPという文化がある程度成熟し完成している証拠なのかも知れない と思ったのです。

同時に憧れが同じ土俵(J-POP界)にあるという事は昔のアメリカやイギリスの音楽界と同じ状態になったのかという錯覚に陥ります。
経済規模でも日本は音楽業界世界1位2位を争う状態になりました。

J-POPが文化として熟成し完成しつつあると考えればそれも悪くないのかもしれません。

日本の良くもあり悪いところは国内需要だけで様々な産業が成り立つという事なのですが
音楽業界も国内需要だけで成り立っています。
外国に依存するよりは立派で誇れる事だとは思うのですが 結果 様々な発展性を無くしつつあるのではないかとも感じます。

洋楽にあこがれる事はもう昔の感覚なのかも知れませんね。