レコーディングエンジニアの仕事ブログ

レコーディングの事、音楽の事、DAW.DTMの事など適当に書きます

ボーカルのピッチ修正について考えを述べてみる

本館のピッチ修正について書いた記事が非常にアクセスが多く、また興味をもたれている方が多い項目なので、ここではピッチ修正について違う角度から意見を書きたいと思います。

まず、歌のピッチ修正が是か非か?という事を論じるつもりはありません。
私の記事を読んだ方から「ピッチ修正の何がいけないんだ!」という強い反発のコメントを頂く事もありますが私はピッチ修正自体が悪いとかやってはいけないといった姿勢ではありません。

私が懸念しているのは歌手やディレクター、プロデューサーの録音や作品に向かう姿勢・意識であってピッチ修正そのものではないのです。
ここらへんは本館の記事を読んでいただければわかると思います。

では、ここで書くピッチ修正についてですが
多くの方が言われるようにピッチ修正はもはや当たり前の処理だという見方があります。
似たような作業でボーカルを複数テイクの良いところだけを繋げる編集作業があります。
一昔前はこの編集も嫌う人たちも居ましたが、今は歌のテイク編集は一般的に行われる当たり前の手法となっています。
これは作品の完成度を上げるためにベストテイクを作るという意味が大きく、恥ずかしい行為でもなんでもない という認識が広まったからでしょう。

では、話をピッチ修正に戻します。
例えばレコーディングのインタビュー記事などで「歌は録音後に細かなピッチ修正とタイミング編集を行いました」という文章を見ることはまずありません。
当たり前の作業と思っているならベストを尽くすという意味でピッチ修正作業での苦労話など書いても良いではないでしょうか?

やはり一般的な見解として歌手がピッチ修正作業をするという行為が恥ずかしい事だと思っているからではないでしょうか?
「ピッチ修正は今はやって当たり前」と思っているなら隠す必要はないのではないでしょうか?

結局はボーカルのピッチ修正は恥ずかしい事で人には知られたくないと本人もまわりも認識しているのが現在の状況だと思います。
自分が恥ずかしいと思うことはやはり 当たり前の事 では無いと私は思います。



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おまけ、私の所にも問い合わせで「歌ってどの位までつめて録音しておけばいいですか?」という事を言われる場合があるのですがひどい場合は「本人がメロ覚えてないので適当に歌って後でピッチ修正で作れますよね?」なんていう問い合わせもあります。
私はこういう仕事はお断りしていますが、世の中にはこういう大変な処理をしている人も沢山居るんだなと思うと頭がさがります。

しがないエンジニアの意見でした。

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